女は恥かしそうにして笑った

「では、お詞《ことば》に甘えますが」 女はこう云ってまた何か困ったような顔をしながら脚下に眼を落した。「それに、馴れぬ夜路をいたしまして、足を傷めて困っております」 新三郎は負うて往ってやろうと思った。「そんなことなら、負うて進ぜよう」 女は恥かしそうにして笑った。その笑い方が如何にも濃艶...

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久武内蔵助の従弟に当る五月新三郎

 久武内蔵助の従弟に当る五月新三郎は、ある晩、小高坂へ往って親実の邸宅の傍を通っていた。薄月のさした暖かな晩であった。ふと見ると、十六七に見える色の白い女が一人立っていた。人通りのない淋しい路ぶちに、歳のゆかない女の子が立っているのは不思議であるから、(もしや、妖怪ではないか) 新三郎は注意した...

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悪人は生け置かんぞ

「悪人を生け置いてたまるか、悪人は生け置かんぞ」 そして、また引っくり返って手足をびくびくと動かしだした。僧は一生懸命になってお経を唱えた。僧の顔には汗が出ていた。「悪人を生け置いてたまるか、悪人は生け置かんぞ」 小供はまたこう叫びながら、体を悶掻《もが》いて畳の上を転げ廻った。「悪人を生け...

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