元親の検使に詰腹を切らされた時

 比江山親興が、元親の検使に詰腹を切らされた時のことであった。親興は一人の家来に耳打をして、それを比江村の己《じぶん》の城へやった。それは妻子を落すためであった。親興には五人の小供があった。 親興の妻は家来の報知《しらせ》によって、五人の小供を伴れ、その夜、新改村の長福寺へ忍んで往った。長福寺の住...

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臆病者共が何を云う

 八人御先の噂は日に日に昂まって来た。その噂は元親の耳にも入った。元親は嘲笑った。「臆病者共が何を云う、そんなばか気たことがあってたまるものか」 恐ろしい火の玉は城の中にも飛びだした。その火の玉に当って発狂する者もあった、病気になる者もあった。元親の傍にいた若侍の一人も、その火の玉に往き逢って病...

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女は恥かしそうにして笑った

「では、お詞《ことば》に甘えますが」 女はこう云ってまた何か困ったような顔をしながら脚下に眼を落した。「それに、馴れぬ夜路をいたしまして、足を傷めて困っております」 新三郎は負うて往ってやろうと思った。「そんなことなら、負うて進ぜよう」 女は恥かしそうにして笑った。その笑い方が如何にも濃艶...

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