植田の者

 人びとはこう云って恐れた。最近になっても植田の者はその七人御先の墓の傍へ近寄ると、きっと奇怪なことが起った。明治になってからも二人の壮《わか》い男が、其処へ草刈りに往ったことがあるが、一人の男は、「七人御先の墓地へ入らんようにしよう、植田の者に祟りがあると云うから」 と云うと、一人の男は笑って...

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ばらばらと寺の中へ駈けあがった

 討手の者は頭の声と共に、ばらばらと寺の中へ駈けあがった。住職はそのまま離屋の方へ走って往って、六人の者を逃がそうとした。三四人の討手は住職を追って来て、彼が離屋の縁側へあがろうとするのを押えて捩伏せた。「奥様も御子様達も、早く、早く、討手が来たから、早く、早く」 住職は捩伏せられながら叫んだ。...

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元親の検使に詰腹を切らされた時

 比江山親興が、元親の検使に詰腹を切らされた時のことであった。親興は一人の家来に耳打をして、それを比江村の己《じぶん》の城へやった。それは妻子を落すためであった。親興には五人の小供があった。 親興の妻は家来の報知《しらせ》によって、五人の小供を伴れ、その夜、新改村の長福寺へ忍んで往った。長福寺の住...

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