光子《みつこ》さんはわびました

 光子《みつこ》さんは、わるかったと思《おも》いました。「勇《いさむ》ちゃん、かんにんしてね。」といって、光子《みつこ》さんはわびました。 自分《じぶん》がじゅず玉《だま》を取《と》ってくれとたのまなければ、勇《いさむ》ちゃんは、はちになんかさされなくてもすんだのだと思《おも》ったからです。勇《いさむ》ちゃんは、じゅず玉《だま》のなっている枝《えだ》を光子《みつこ》さんにわたすと、きちきちばったをうけ取《と》って、「お母《かあ》さんに、お薬《くすり》をつけてもらうから。」といって、走《はし》ってお家《うち》へかえってしまいました。 光子《みつこ》さんは、きゅうにつまらなくなって、じゅず玉《だま》の枝《えだ》をひきずるようにしてお家《うち》へかえりました。じゅず玉《だま》の実《み》は、銀色《ぎんいろ》に、むらさき色《いろ》に、さながら宝石《ほうせき》のように光《ひか》っていました。 お家《うち》へかえってから、梅《うめ》の木《き》のはちを見《み》ると、ひとりぽっちで巣《す》をつくっていたはちとおなじなはちが勇《いさむ》ちゃんをさしたのだと思《おも》うと、きゅうに、はちにたいする同情《どうじょう》がうすくなったけれど、また、そのしおらしいすがたを見《み》ると、「お家《うち》のはちは、かわいそうなのよ。」と、ひとり言《ごと》をして、光子《みつこ》さんはそのはちを見《み》まもっていました。「これは、きっと、お母《かあ》さんばちにちがいないわ。」と思《おも》うと、光子《みつこ》さんの目《め》の中《なか》からしぜんにあついなみだがこぼれおちたのです。 二、三|日《にち》たって、勇《いさむ》ちゃんは木戸口《きどぐち》から、「光子《みつこ》さん!」といって、遊《あそ》びにきました。

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